愛は惜しみなく与う②
紅蓮と分かって、泉の怒りは倍増
悔しかったんなよな。
紅蓮ってことは、泉が原因だと思ったんだよな。
そんな自分を責めることないのに
杏は絶対泉のことを責めない
なのに、ごめんな
とさっきから呟いている
「……ありゃ立ち直るの時間いるぞ?」
「杏が起きて、ウジウジしてる泉に喝飛ばしてくれますよ」
そうじゃなきゃ困る。このままだと、杏がトイレに行くのも付いて行くって言うようになるぞ
やめてくれ、総長なんだから
「ん…泉…」
パッと後ろを振り返ると、杏が少し苦しそうな顔で泉の名を呼んだ
「杏?わかるか?俺だ。もうすぐ病院着くからな?あと少し我慢できるか?」
そんな必死の泉の問いかけに続けて、杏は言った
「キリンと象やったら、象が勝つに決まってるやろ、アホやな」
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「え?」
スースー
…寝言?
いやいや、キリンと象が、戦う夢ってなんだよ
泉の顔見てみろよ。
めちゃくちゃ面白い顔してっぞ?
案の定、隣で海斗さんは爆笑している