愛は惜しみなく与う②
もう藁にもすがる思いだった父親は、その話に乗ったという。息子たちのために
しかし父親は、セキュリティ会社で働いていたが、パソコンには疎くて、奴らが望む情報収集はできなかった
怒った紅蓮の組の奴らは、弟の学校に乗り込むぞと脅した
新はそれをみていて、居ても立っても居られなくなり、父親と奴らの前に立ったという
「私が…あなた達の望む力となります。なので父さんと弟には手を出さないでください」
そして悪夢が始まった
新の情報収集能力に驚き、逃してはならないと、常に人質として父親と弟のことをチラつかせたらしい。
そうして1年、あの部屋で、ただひたすら、紅蓮の組のために尽くしたという
そんな悲しい話あってはならない
すぐに新の父親と弟を探して保護した
だが俺もまだ中学生のガキ
何もできない
この3人を匿うには、家の力が必要だ
大嫌いな家の…
「あの…ここまでしてもらわなくて大丈夫です。あなた達のことは調べています。あなた、父親が嫌いでしょう?無理に会わなくていいです。なんとかしますので」