愛は惜しみなく与う②

もう藁にもすがる思いだった父親は、その話に乗ったという。息子たちのために


しかし父親は、セキュリティ会社で働いていたが、パソコンには疎くて、奴らが望む情報収集はできなかった

怒った紅蓮の組の奴らは、弟の学校に乗り込むぞと脅した


新はそれをみていて、居ても立っても居られなくなり、父親と奴らの前に立ったという



「私が…あなた達の望む力となります。なので父さんと弟には手を出さないでください」




そして悪夢が始まった


新の情報収集能力に驚き、逃してはならないと、常に人質として父親と弟のことをチラつかせたらしい。


そうして1年、あの部屋で、ただひたすら、紅蓮の組のために尽くしたという


そんな悲しい話あってはならない


すぐに新の父親と弟を探して保護した


だが俺もまだ中学生のガキ

何もできない


この3人を匿うには、家の力が必要だ

大嫌いな家の…



「あの…ここまでしてもらわなくて大丈夫です。あなた達のことは調べています。あなた、父親が嫌いでしょう?無理に会わなくていいです。なんとかしますので」
< 7 / 419 >

この作品をシェア

pagetop