愛は惜しみなく与う②
調べ尽くされているのか、俺と親父の関係も知っているらしい
でも、紅蓮の組を解散させたとはいえ、またこの親子が狙われないとも限らない
新の力を欲しがる奴らは沢山いるだろうから
新の意見は無視をして、自分の親父に会った
「なんだ?頼み事か?お前が会いに来るのは、自分の非力さを知った時だけだ」
踏ん反り返ってこちらを見下すのは、俺の血の繋がった親父だ
はっきり言って嫌いだ
けど、俺はまだ幼くて何も無い。何の力もない
いつか絶対、この忌々しい組を潰してやる
その時まで…
「俺の命の恩人を匿ってください。この人達のおかげで助かりました。彼らは家も職もない。まとまったお金ができるまで、ここで面倒みてください」
頭を下げた
決して屈辱的ではなかった
だってこれは…
前払いだ
新には、俺の計画も手伝ってもらわなきゃいけないから。この組を潰す手伝いを。
こうして父親には職を与えて、新と弟も学校へ通えるようになった
「ありがとうございます」
「別にお前達のためじゃない。俺のためだ」
新は頭を下げに来た