愛は惜しみなく与う②

ただそんな得体の知れないチームを相手に、どう戦えばいいのか全く見当もつかない。
みんなが下を向いたその時、泉は言った



「親父に、会いに行く」



!?!?!

「ちょっと、それはやめて下さいって言ったでしょ」

新は音を立てて椅子から立ち上がる

そして泉の顔を見て、目を伏せた



あぁ…もうこれは覚悟決めてるな


そんな顔をしている
泉がこうなれば、俺たちが何を言おうが、誰が説得しようが、泉はやり切る


「杏にも前言った。今回の紅蓮の件も、親父に言っておかなきゃいけない事がある。それに…」


そう。
泉の親父さんは、ここ最近荒れまくっている
正直予想してたより早くに、親父さんが失脚しかかっている。

想定外だった


「俺が親父の組が崩れ始める時期を見誤った。そのせいで今回、紅蓮は動いた」


親父の尻拭いを子供がするのはおかしいが、親を止めれるのは子供しかいない。

だから

もし泉の父親が間違った道に進みそうになったら全力で止めてやれと。


俺の二の舞になるなと…


泉は金城と約束していたらしい
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