愛は惜しみなく与う②
付き人は、ゴトウと呼んでる
ゴトウは親父と昔からの仲で、親父が悪いことに手を出しても、きっと最後までゴトウは親父の側にいる
「ゴトウさんを味方につけれればいいんですがね」
「ゴトウは絶対に親父を裏切らない」
ですよね…ポツリと新は言う。本当は卒業したと同時に、組を継いで、即解散させてやろうかと思っていた。
その手はずも、後2年で確実に揃えるつもりだった。
ただもう待ってられない
「杏が眠ってる間にいくよ。あいつの顔見たら、離れれない気がするから」
「それで杏は喜びますか?もしあなたに何かあれば…杏は悲しみますよ?」
そんなことは分かってる
だから…
「何が何でも決着をつけて、戻ってくるから」
仲間が傷つく辛さなんて、嫌という程知っている。だから俺も、心配かけないように、必ず帰って来なければならない
「戻ってみんなに伝えろ。3日で親父と話をつける。必ずだ。それまで待っててくれ」
新の身体をポンと病院の方へ押す
もう決めたから
逃げるのは今日で終わりだ