愛は惜しみなく与う②
一方的なのを虐待という気がする

幼いながらに、こいつに屈してはいけない。そう思っていた。実の父親に向けて…

それもこれも、毎日理不尽な暴力や発言、それに子供に見せるべきものではない…敵対してる組の奴の拷問など…

あの親父が俺にそれらを経験させたことが原因だ


嫌気がさす毎日


小学生の高学年になった時、俺は海斗さんに出会った


そこから俺の世界は色づいた



だからもう、俺の中で、家とは牢獄のような場所で、親父とは悪魔のような存在だった


だから会いたくなかった
親だと思いたくもなかった


3年…長いようで短い3年間…
久しぶりに会いに行く決意ができた


なのに…


俺は今から何を聞かされるんだろうかと思うと、怖くて仕方がない



「若?とりあえず聞いてください。組長は…」




白瀬から語られた言葉

それはなかなか頭に入ってこなかった



だって



俺は親父が嫌いなんだ


憎んでいるはずなんだ


だけど、その言葉はあまりにも…



現実からかけ離れた出来事だった

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