愛は惜しみなく与う②

「泉は…蕪木組そのものを潰すつもりでした。たとえ父親が逮捕されても…自分が犯罪者の息子と呼ばれようが……その手で決着をつけると誓ってました」


……

泉は強いからそう思えるんやな。
あたしには絶対できひんことや。泉のそういう姿を見て、あたしも皆んなと向き合おうと思えたわけやけど


新はとても辛そうに話す

新はそうか。泉の家のことをよく知ってるんやな。


「あまりにも、泉の父親の噂などが悪くなってきて、泉もそれを分かってました。でもなかなか行動に移せず、卒業したらと決めていました。

ですが…今回紅蓮が動いてきた事もあり、泉は決めたと言って…ここを出ました」



病院からでたのは12時間前らしい

あたしはそれまで寝てしまってたのか

妙にスッキリする頭で色々考える


「新は?帰ってこれへんって思う理由は?」


まぁ一応家族っていうやつや。
数年会ってへんかっても、なんか普通に話せてしまうもんや。あたしがそうやし

嫌いでも憎くても



親やしなって


「次に帰ってきたときや、何か頼み事をするときは、家を継ぐ覚悟でこいって…言われてました」
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