哀夢(19~20歳編)
荒れていた時期
 19歳、妊娠、中絶を経て、わたしは自暴自棄になっていた。

 わたしなんて、いないほうが…。そう思ってしまう。

 そこで、気分転換に美容室に行く。そこには32歳のお兄ちゃんがいて、わたしのお気に入りだった。

 そのお兄ちゃんに、何気に聞いてみる。
「電話番号とか聞ける?」
「いいよ!」
 
 わたしは意外な反応に拍子抜けしてしまう。(こういう時って断られるんじゃ…)

 思いながら、登録する。
「あたしのも、ワンコしとく!」
と言って、かける。

 その日のうちに、電話があった。そして、居酒屋デートをした後、彼の部屋で関係を持つ。

翌日、帰った後で、
『あれって、遊び?本気?』
…と聞くと、
『俺、遊びであんなんせんけど…』
との返信!

 わたしは(やった!)と思って、その日から恋人になった。

 その日から、彼の部屋に行くことが増えた。彼はバツイチだった。
 わたしはわたしで、不安定で、過呼吸が絶えなかった。
 彼の前では、できるだけ出さないようにしていたが、夜、寝ているときに、起きて
1人で耐えることが増えていた。

 ある時、ベッド横で、過呼吸を抑えていると、
「愁ちゃん?どこ?」
と、不安気な声がした。
 返事をしたいけど、できない。苦しいのを必死で我慢する。

 そんなわたしを見て、彼は思ったのかもしれない。

 翌日、メールで
『ごめんなさい。もう無理です。』
 わたしは、納得がいかなかった。
 電話をしても、メールをしても、拒否っているのか、つながらない。

 当時、精神科で友達になっていた、ナミちゃんに相談すると、ナミちゃんの携帯で電話してくれた。

 電話に出た彼は、
「無理なんです。付き合えない。」
とだけ言ったらしい。

 結局詳細な理由はわからずじまいで…
 彼とはそれでバイバイした。

 わたしは、美容室に行くのをやめた。

 それからも、メールで知り合って付き合うことになった16歳の子とは2日目に、メールの返信内容が気に入らなくて別れた。

 ナンパしてきた19歳の彼とは、わたしの身の上を話すと、泣けなくなったわたしの代わりに泣いたりしてくれた。

 でも、わたしが、帰りたくないとゴネたときに、実家暮らしの彼は、わたしをおいて帰ると言ったので、
「それじゃ、あたしの彼氏は無理よ!別れよ!」
と言って、
「冷てえ!」
とボヤく彼を残し、夜の街に繰り出したりしてた。

 そう、この頃のわたしは、過去最高に荒れてたかもしれない。
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