哀夢(19~20歳編)
妊娠発覚
彼は精神科にもついてきてくれた。先生から、
「彼は今まで付き合って来た人達とは違うみたいだね。」
と、言われた。
わたしは彼の家に入り浸っていた。
狭い3.5畳ほどの部屋は、意外に居心地が良かった。
始めに関係を持たなかったのが、わたしの決め手だったと話すと、彼は
『オレ、気胸って病気で、手術したばっかで、病院からそういうことはすんなっち言われとったんやん。』みたいなメールを交わしたことがある。
『だから、許可が出るまでできんけど、大丈夫?』
と聞かれたが、
『そっちの方が新鮮でいいよ!』
わたしは即答した。
この頃には、もうすっかり良くなっており、わたしたちは結ばれていた。
8月から、生理が来なくなった。彼に話すと、
「もし出来てたら、お義父さんに挨拶せなやね!」
と明るく言ってくれた。
わたしは、心底彼と付き合って良かった…と思ったものだ。
9月に入っても生理が来ないので、産婦人科に行った。
結果は……
「これこれ!このゴミみたいのが赤ちゃんね!」
……ん?………う〜ん………
喜んでいいのか反応に困る。
まぁ、とりあえず2人で顔を見合わせて笑う。
彼は父ちゃんに合うと、「こんにちは」と挨拶をする。
第一関門突破。父ちゃんは挨拶をしない奴が嫌いだった。
わたしは父ちゃんに、あらかた内容をメールしておいたので、話は早かった。
父ちゃんは、コーヒーを片手に話しだす。
「……で?どうするんや?お前たち…。お父さんは、もう堕ろさせんぞ。」
「言われんでも産むし!やけ、話があるっち言ったんやん!」
すごい剣幕で話すわたしを、父ちゃんは遮る。
「愁の気持ちはわかった。…で、籍入れないかんけど、雅君は今仕事してないけな。仕事はどうするつもりでおるんか?」
「以前勤めていた所が声掛けてくれてるんで、そこで働こうと思ってます。」
「そうか………。」
「なら、結婚に向けて準備せなやなぁ。挨拶とか…いろいろ。」
「式は挙げんき、顔合わせとかも、別によかろ?籍入れる日もまだ決めんでよかろ?なんかあったら連絡するわ!」
「すみません。失礼します。」
「……ん、わかった。」
軽い感じで話は終わる。
「オレ、一発殴られる覚悟で行ったんやけど……。」
「やけ、言ったやん!家の親はちょっとおかしいって。」
わたしは苦笑しながらそう言うと、彼の車に乗り込んだ。
「彼は今まで付き合って来た人達とは違うみたいだね。」
と、言われた。
わたしは彼の家に入り浸っていた。
狭い3.5畳ほどの部屋は、意外に居心地が良かった。
始めに関係を持たなかったのが、わたしの決め手だったと話すと、彼は
『オレ、気胸って病気で、手術したばっかで、病院からそういうことはすんなっち言われとったんやん。』みたいなメールを交わしたことがある。
『だから、許可が出るまでできんけど、大丈夫?』
と聞かれたが、
『そっちの方が新鮮でいいよ!』
わたしは即答した。
この頃には、もうすっかり良くなっており、わたしたちは結ばれていた。
8月から、生理が来なくなった。彼に話すと、
「もし出来てたら、お義父さんに挨拶せなやね!」
と明るく言ってくれた。
わたしは、心底彼と付き合って良かった…と思ったものだ。
9月に入っても生理が来ないので、産婦人科に行った。
結果は……
「これこれ!このゴミみたいのが赤ちゃんね!」
……ん?………う〜ん………
喜んでいいのか反応に困る。
まぁ、とりあえず2人で顔を見合わせて笑う。
彼は父ちゃんに合うと、「こんにちは」と挨拶をする。
第一関門突破。父ちゃんは挨拶をしない奴が嫌いだった。
わたしは父ちゃんに、あらかた内容をメールしておいたので、話は早かった。
父ちゃんは、コーヒーを片手に話しだす。
「……で?どうするんや?お前たち…。お父さんは、もう堕ろさせんぞ。」
「言われんでも産むし!やけ、話があるっち言ったんやん!」
すごい剣幕で話すわたしを、父ちゃんは遮る。
「愁の気持ちはわかった。…で、籍入れないかんけど、雅君は今仕事してないけな。仕事はどうするつもりでおるんか?」
「以前勤めていた所が声掛けてくれてるんで、そこで働こうと思ってます。」
「そうか………。」
「なら、結婚に向けて準備せなやなぁ。挨拶とか…いろいろ。」
「式は挙げんき、顔合わせとかも、別によかろ?籍入れる日もまだ決めんでよかろ?なんかあったら連絡するわ!」
「すみません。失礼します。」
「……ん、わかった。」
軽い感じで話は終わる。
「オレ、一発殴られる覚悟で行ったんやけど……。」
「やけ、言ったやん!家の親はちょっとおかしいって。」
わたしは苦笑しながらそう言うと、彼の車に乗り込んだ。