青の秘密を忘れない
翌朝、同じ目覚ましの音で起きた私たちは顔を見合わせて笑った。
そして、出る直前に名残惜しそうに部屋を眺める私に、青井君は軽いキスをくれた。
また、観光名所を回って歩いた。
最後に有名な神社に立ち寄って参拝をする。
「青井君は何を願ったの?」
「言ったら叶わない気がするので秘密ですよ」
「私と一緒かなぁ?」
「秘密ですって」
そう言って青井君はくしゃっと笑った。
そして、カバンをゴソゴソして何かを二つ出して、一つを私の手のひらに乗せた。
綺麗な青い天然石の、お守り……?
「え、いつの間に買ったの?ありがとう!」
彼は、私の手のひらに置いたお守りをもう一方のものと入れ替えた。
きょとんとする私に、彼が笑いかけた。
「会う度に交換しましょう。同じ願いなら問題ないでしょ。
だから、会う時はこれ持って来てくださいね」
私たちの秘密が増えていく。
不道徳と言われても、今はどうしても嬉しい。
私はそれを財布のファスナーにつけた。
夕方になって、私たちは新幹線の改札に向かった。
寂しさから口数も少なくなってしまう。
「また近いうちに会えるといいですね」
「うん、また連絡するね」
彼は私の頭をポンと優しくたたいて、背を向けて歩き出す。
その姿を見つめていると、彼がふいに振り向いて手を振った。
私もそれに応えるように手を振り返した。
ただの遠距離恋愛なら、もっと自由に会えるのに。
私は彼が見えなくなってからも、しばらく動けなかった。
そして、出る直前に名残惜しそうに部屋を眺める私に、青井君は軽いキスをくれた。
また、観光名所を回って歩いた。
最後に有名な神社に立ち寄って参拝をする。
「青井君は何を願ったの?」
「言ったら叶わない気がするので秘密ですよ」
「私と一緒かなぁ?」
「秘密ですって」
そう言って青井君はくしゃっと笑った。
そして、カバンをゴソゴソして何かを二つ出して、一つを私の手のひらに乗せた。
綺麗な青い天然石の、お守り……?
「え、いつの間に買ったの?ありがとう!」
彼は、私の手のひらに置いたお守りをもう一方のものと入れ替えた。
きょとんとする私に、彼が笑いかけた。
「会う度に交換しましょう。同じ願いなら問題ないでしょ。
だから、会う時はこれ持って来てくださいね」
私たちの秘密が増えていく。
不道徳と言われても、今はどうしても嬉しい。
私はそれを財布のファスナーにつけた。
夕方になって、私たちは新幹線の改札に向かった。
寂しさから口数も少なくなってしまう。
「また近いうちに会えるといいですね」
「うん、また連絡するね」
彼は私の頭をポンと優しくたたいて、背を向けて歩き出す。
その姿を見つめていると、彼がふいに振り向いて手を振った。
私もそれに応えるように手を振り返した。
ただの遠距離恋愛なら、もっと自由に会えるのに。
私は彼が見えなくなってからも、しばらく動けなかった。