青の秘密を忘れない
「青井君!」
私が手を振ると、青井君はこちらを見て笑った。
「お久しぶりです」
久しぶりに会うせいか、お互い少し照れ笑いを浮かべる。
いつも通りの青井君だ、と胸を撫でおろす。
すぐそばにあるベンチに腰かけてすぐに、我慢できずに小さいカバンを出すと、青井君は不思議そうにこちらを見ている。
「料理作ってきた。……食べる?」
青井君は小さくガッツポーズして、「食べる!」と子供のように笑った。
私はカバンから、ハンバーグが入ったタッパーを取り出して青井君に渡す。
青井君はそれを嬉しそうに開くと、すぐに一口食べた。
「あんまり温かくはないから申し訳ないけど」
「おいひい」
青井君が私の右手をぎゅっと握った。
そして、あっという間に完食して空っぽのタッパーをじっと見つめる。
「手料理っていいなぁ」
少し切ない顔をしている気がして思わず顔を覗き込むと、すぐに明るい笑顔に戻る。
「ありがとうございます」
「こちらこそありがとう」
「なんで篠宮さんもお礼言ってるの」
無邪気に笑う青井君を見て、幸せだと感じた。
「今日は泊まれないけど、またどこか遠くに行きたいですね」
「うん、行きたい」
それはいつになるだろう、と思ったが、お互いにそれには触れなかった。
「そうだ、私このまま、また実家帰るんだ。
また向こう戻る明後日の夜、会えないかな?」
「明後日、ですか」
彼は喜んでくれるかと思ったが、ちょっと悩んでいる顔になる。
「忙しい、かな……?」
「いや、大丈夫です。ただ、仕事あるからちょっと待たせちゃうかなって。
それでもいいですか?」
「全然大丈夫!」
少し間があって、青井君が私の頭をそっと撫でた。
「この前会った時のことをずっと考えてたんですけど、やっぱり篠宮さんだけのせいじゃないですよ。
篠宮さんといることを、僕も選んだのは間違いないので」
青井君は笑ってくれたが、頭の片隅で思っていた。
今回は大丈夫だったけど、バランスが崩れたらどうしよう。
私は得たいの知れない不安を拭うために、青井君に青いお守りを差し出す。
これからも同じ気持ちでありますように、と。
私が手を振ると、青井君はこちらを見て笑った。
「お久しぶりです」
久しぶりに会うせいか、お互い少し照れ笑いを浮かべる。
いつも通りの青井君だ、と胸を撫でおろす。
すぐそばにあるベンチに腰かけてすぐに、我慢できずに小さいカバンを出すと、青井君は不思議そうにこちらを見ている。
「料理作ってきた。……食べる?」
青井君は小さくガッツポーズして、「食べる!」と子供のように笑った。
私はカバンから、ハンバーグが入ったタッパーを取り出して青井君に渡す。
青井君はそれを嬉しそうに開くと、すぐに一口食べた。
「あんまり温かくはないから申し訳ないけど」
「おいひい」
青井君が私の右手をぎゅっと握った。
そして、あっという間に完食して空っぽのタッパーをじっと見つめる。
「手料理っていいなぁ」
少し切ない顔をしている気がして思わず顔を覗き込むと、すぐに明るい笑顔に戻る。
「ありがとうございます」
「こちらこそありがとう」
「なんで篠宮さんもお礼言ってるの」
無邪気に笑う青井君を見て、幸せだと感じた。
「今日は泊まれないけど、またどこか遠くに行きたいですね」
「うん、行きたい」
それはいつになるだろう、と思ったが、お互いにそれには触れなかった。
「そうだ、私このまま、また実家帰るんだ。
また向こう戻る明後日の夜、会えないかな?」
「明後日、ですか」
彼は喜んでくれるかと思ったが、ちょっと悩んでいる顔になる。
「忙しい、かな……?」
「いや、大丈夫です。ただ、仕事あるからちょっと待たせちゃうかなって。
それでもいいですか?」
「全然大丈夫!」
少し間があって、青井君が私の頭をそっと撫でた。
「この前会った時のことをずっと考えてたんですけど、やっぱり篠宮さんだけのせいじゃないですよ。
篠宮さんといることを、僕も選んだのは間違いないので」
青井君は笑ってくれたが、頭の片隅で思っていた。
今回は大丈夫だったけど、バランスが崩れたらどうしよう。
私は得たいの知れない不安を拭うために、青井君に青いお守りを差し出す。
これからも同じ気持ちでありますように、と。