青の秘密を忘れない
どうやって解散して家まで帰り着いたか記憶がない。

とにかく私も時間をもらって整理したい、もう一回会いたいと言って、じゃあ二週間後にまた来ますと言われたことはなんとなく思い出せる。

「終わりにしましょう」という言葉が頭にこだまする。

確かに態度が変わって、乱暴にも思える愛情表現を受けている時は別れを切り出されるかも知れないと思ったことは何度もあった。

でも、「僕、篠宮さんが好きです」と言った後にそう言われるとは思わなくて混乱する。

正臣を見て現実を見てしまった?
やっぱり夫と仲良いじゃないかと思った?
それとも穏便に別れたいから「好き」と言ってみた?

どれも私の妄想で、青井君の考えではない。
青井君の考えをどんなに考えても、それは妄想でしかない。

それなら、私はどうしたいのかを考えよう。

青井君とのやりとりはずっと止まったままになった。


帰って少しして、正臣に「一ヶ月後、旅行行かない?」と声をかけた。
青井君を失ったとして、このままでいい訳がない。
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