青の秘密を忘れない
第2章 きっかけを待ってた
「今日、宮川(みやかわ)さんと飲みに行くんですけど一緒に行きませんか」
お昼休憩で席を立つ時、青井君が小声で話しかけてきた。
宮川さんは私の二つ下の後輩女子で青井君の次に年少だから、よく二人はセットにされていた。
知らないところで二人で飲みに行く約束をしていたのかと思ったら、胸がざわざわした。
「いいけど……、若い二人に割って入るの邪魔じゃない?」
青井君は一瞬きょとんした顔をしてから、ぷっと吹き出した。
「全然いいですよ!むしろ来てください!
僕、篠宮さん以外の女性は緊張するんですよ」
青井君はこういう時、リップサービスなのか本気なのか判断がつきにくい言い方をする。
躊躇う私に、彼は「一緒に行きましょうね」と言って、私の答えを聞かずに立ち去っていった。
まあ、いいか。きっとこれが最後だから。
そう思い、正臣に「今日は飲み会だから迎えはいらないよ」と連絡した。
やましいことは何もないはずなのに、誰と行くかはなぜか言う気になれなかった。
この日が二人の関係の転機になるなんて、この時は思いもしなかった。
お昼休憩で席を立つ時、青井君が小声で話しかけてきた。
宮川さんは私の二つ下の後輩女子で青井君の次に年少だから、よく二人はセットにされていた。
知らないところで二人で飲みに行く約束をしていたのかと思ったら、胸がざわざわした。
「いいけど……、若い二人に割って入るの邪魔じゃない?」
青井君は一瞬きょとんした顔をしてから、ぷっと吹き出した。
「全然いいですよ!むしろ来てください!
僕、篠宮さん以外の女性は緊張するんですよ」
青井君はこういう時、リップサービスなのか本気なのか判断がつきにくい言い方をする。
躊躇う私に、彼は「一緒に行きましょうね」と言って、私の答えを聞かずに立ち去っていった。
まあ、いいか。きっとこれが最後だから。
そう思い、正臣に「今日は飲み会だから迎えはいらないよ」と連絡した。
やましいことは何もないはずなのに、誰と行くかはなぜか言う気になれなかった。
この日が二人の関係の転機になるなんて、この時は思いもしなかった。