故意恋?!
きっと、西日のせい。
キーンコーンカーンコーン。
「祐葉!今日も補習か?」
「補習じゃねーよ!!翔馬よりは賢いしな!」
「まーた、そんなどんぐりの背比べして!
祐葉! 勉強頑張ってね!!」
「里穂ー。ありがとー!ばいばーい!」
さーて、これから待ちに待った篠矢先生との放課後勉強かあー!!
今日もかっこいいんだろーなー。
そう思いながら、わたしは夕方の橙色の西日が差し込む教室の机に座る。
この学校は長ーい坂の上にあって、窓から見える景色は最高で海の方まで余裕で見える。
さーて、今日は古文をするかなー。
篠矢先生はなんでも分かるから、古文でも数学でも、化学でも、教えてくれる。
さすが、私が大好きな篠矢先生❤︎"・・・。
みんなが私の本性、、篠矢先生のことを好きな私を知ったらドン引きするんだろうな・・・
先生ってだけで叶わない恋なのに、
私の見た目ではもっと叶わないなぁ。
「ガラッ」
「柄本!待たせたな、今日は何するんだ?」
急に入ってきたから思いのほかビックリした。
「何ビビってんだよ?笑
何か悪いことしてたんじゃないだろうなー」
「しっしてませんよ、!
篠矢先生こそ仕事忙しかったんですか?」
「生徒に絡まれてなぁ・・・笑
なかなか抜け出せなかったんだよ。」
篠矢先生は女子にも男子にも人気があって、
バレンタインやその他でも周りに人がいないことはない。
「流石ですね。篠矢先生笑
モテモテですね。」
「お前にはかなわねぇよ笑
女子にモテモテだもんな笑」
「女子に、ですけどね。
てゆうか!勉強教えてくださいよ!」
「そうだったな笑
お、今日は古文か」
「どれどれ・・・。」
ふいに、篠矢先生の柔らかな髪が顔にあたって
緊張した。
「えーとな、このな、験もなしというのは
効き目がないという意味で・・・」
「思へども 験もなしと知るものを 何かここだく 我が恋ひわたるという和歌は、
思ってもどうしようもない片思いの歌なんだよ。」
橙色の日が私たちをこれでもかと照らす。
「例えれば俺がお前に恋するのと同じこと。」
これでもかというぐらいに。
「教師と生徒も叶わない恋だろ?
この歌は叶わないのに、気持ちは止められないという意味なんよ。」
顔が紅潮する。
この夕方の西日のせいにできないかな。
「大伴坂上郎女は、万葉集の代表的な歌人だからな覚えとけよ?」
「はい。・・・。」
好きだ。好きだ。
篠矢先生が好きだ。
きっと、この西日のせいになんて出来ない。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
思へども 験もなしと知るものを
何かここだく 我が恋ひわたる
「祐葉!今日も補習か?」
「補習じゃねーよ!!翔馬よりは賢いしな!」
「まーた、そんなどんぐりの背比べして!
祐葉! 勉強頑張ってね!!」
「里穂ー。ありがとー!ばいばーい!」
さーて、これから待ちに待った篠矢先生との放課後勉強かあー!!
今日もかっこいいんだろーなー。
そう思いながら、わたしは夕方の橙色の西日が差し込む教室の机に座る。
この学校は長ーい坂の上にあって、窓から見える景色は最高で海の方まで余裕で見える。
さーて、今日は古文をするかなー。
篠矢先生はなんでも分かるから、古文でも数学でも、化学でも、教えてくれる。
さすが、私が大好きな篠矢先生❤︎"・・・。
みんなが私の本性、、篠矢先生のことを好きな私を知ったらドン引きするんだろうな・・・
先生ってだけで叶わない恋なのに、
私の見た目ではもっと叶わないなぁ。
「ガラッ」
「柄本!待たせたな、今日は何するんだ?」
急に入ってきたから思いのほかビックリした。
「何ビビってんだよ?笑
何か悪いことしてたんじゃないだろうなー」
「しっしてませんよ、!
篠矢先生こそ仕事忙しかったんですか?」
「生徒に絡まれてなぁ・・・笑
なかなか抜け出せなかったんだよ。」
篠矢先生は女子にも男子にも人気があって、
バレンタインやその他でも周りに人がいないことはない。
「流石ですね。篠矢先生笑
モテモテですね。」
「お前にはかなわねぇよ笑
女子にモテモテだもんな笑」
「女子に、ですけどね。
てゆうか!勉強教えてくださいよ!」
「そうだったな笑
お、今日は古文か」
「どれどれ・・・。」
ふいに、篠矢先生の柔らかな髪が顔にあたって
緊張した。
「えーとな、このな、験もなしというのは
効き目がないという意味で・・・」
「思へども 験もなしと知るものを 何かここだく 我が恋ひわたるという和歌は、
思ってもどうしようもない片思いの歌なんだよ。」
橙色の日が私たちをこれでもかと照らす。
「例えれば俺がお前に恋するのと同じこと。」
これでもかというぐらいに。
「教師と生徒も叶わない恋だろ?
この歌は叶わないのに、気持ちは止められないという意味なんよ。」
顔が紅潮する。
この夕方の西日のせいにできないかな。
「大伴坂上郎女は、万葉集の代表的な歌人だからな覚えとけよ?」
「はい。・・・。」
好きだ。好きだ。
篠矢先生が好きだ。
きっと、この西日のせいになんて出来ない。
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思へども 験もなしと知るものを
何かここだく 我が恋ひわたる