故意恋?!
はぁ・・・

篠矢先生は、何を思ってあんなこと言うんだろう。
私の気持ちなんて何も知らずに・・・。

誰もいない夜道をとぼとぼ歩く。

下りの坂道は、私の気持ちを後押しするように、
足の勢いがまして歩くスピードが早くなる。

篠矢先生。

「篠矢先生っ。・・・。
好きです・・・。」

なんて。

そんなこと言えたらなぁ。

柔らかい焦げ茶の髪。

色白の肌。

優しい口調。

イタズラな微笑み。

ちょっと意地悪なところもだけど1番に生徒を気にかけてくれるところも。・・・。

好きで・・・。

私はあなたの1番になれませんか?

全部大好き。、

だけど、

全部大嫌い。

思わせぶりな所も、
何一つ嫌な顔しないところも。

放課後教えてくれるところも

笑顔も、全部。


大嫌いだ。
先生のせいだ。篠矢先生のせいだ。

涙が止まらない。

「なんで、泣いてるんだろ・・・笑

恥ずかし・・・。」

ポタ・・・ポタと涙が白いワイシャツを濡らす。

叶わない恋ってこういうことなんだな。




思へども 験もなしと知るものを。



どれだけ思っても叶わないと知っていても。


好きなんだ。

夜の月光は
変わらず私を照らしてる。
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