エリート御曹司と愛され束縛同居
金曜日になり、いつものように仕事を終えて帰宅し、夕食の準備をする。
今夜は仕事を早めに切り上げて帰ると連絡をもらっていたので急いで着替えて準備をする。
久しぶりのふたりでの食事が嬉しかった。
「ただいま」
「おかえりなさい、夕食はもう少しで出来上がるから」
玄関ドアが開く音と共に遥さんが帰宅し、出迎えに向かうと唐突に言われた。
「澪、契約書を持ってきてくれないか?」
「契約書って?」
「一番最初に澪がこの部屋に住む時に交わした契約書」
「いいけど……どうしたの? 夕食の後でいい?」
「いや、できれば今すぐ持ってきてくれないか」
どこか緊張した面持ちの遥さんの様子に一抹の不安を感じながらも自室に引き上げ、契約書を手にリビングに戻る。
眼前に契約書を突きつけた最初の出会いと同じように着替えもせず彼は佇んでいた。
「遥さん?」
おずおず声をかけて渡すと、ふわりと甘く口元を綻ばせ盛大な音を立てて契約書を破った。
「えっ、ちょっと……!」
驚きの声を上げ、無残な状態になった紙面を見つめると遥さんは平然とゴミ箱に入れる。
いきなりなにをするの?
状況についていけず、ただ瞬きを繰り返すしかできない。
「……もうこれは必要ないから。新しい契約書に記入してもらいたいんだ」
そう言ってスーツの内側のポケットから折りたたまれた白い紙を取り出す。
新しい契約書? なにか違う条文でも入れなおしたの?
訝しみながらも差し出された紙を受け取り、広げて息を呑んだ。
今夜は仕事を早めに切り上げて帰ると連絡をもらっていたので急いで着替えて準備をする。
久しぶりのふたりでの食事が嬉しかった。
「ただいま」
「おかえりなさい、夕食はもう少しで出来上がるから」
玄関ドアが開く音と共に遥さんが帰宅し、出迎えに向かうと唐突に言われた。
「澪、契約書を持ってきてくれないか?」
「契約書って?」
「一番最初に澪がこの部屋に住む時に交わした契約書」
「いいけど……どうしたの? 夕食の後でいい?」
「いや、できれば今すぐ持ってきてくれないか」
どこか緊張した面持ちの遥さんの様子に一抹の不安を感じながらも自室に引き上げ、契約書を手にリビングに戻る。
眼前に契約書を突きつけた最初の出会いと同じように着替えもせず彼は佇んでいた。
「遥さん?」
おずおず声をかけて渡すと、ふわりと甘く口元を綻ばせ盛大な音を立てて契約書を破った。
「えっ、ちょっと……!」
驚きの声を上げ、無残な状態になった紙面を見つめると遥さんは平然とゴミ箱に入れる。
いきなりなにをするの?
状況についていけず、ただ瞬きを繰り返すしかできない。
「……もうこれは必要ないから。新しい契約書に記入してもらいたいんだ」
そう言ってスーツの内側のポケットから折りたたまれた白い紙を取り出す。
新しい契約書? なにか違う条文でも入れなおしたの?
訝しみながらも差し出された紙を受け取り、広げて息を呑んだ。