エリート御曹司と愛され束縛同居
その後、緊張の和らいだ我が家でささやかな食事会が開かれた。

結婚の日程や遥さんのご両親への挨拶や両家の顔合わせは今後相談していく運びとなった。

婚姻届の承認欄には父が記入してくれた。

食事会には瑠香さんと昌くんも駆けつけてくれて和やかなものになった。

事の次第をすべて知っていた瑠香さんは祝いの言葉をくれた。

「凪は澪ちゃんが可愛くて仕方ないから心配なのよ。私と結婚する時も澪ちゃんを残すのが気がかりなんて本気で言ってたから」

意外な兄の想いに驚きつつも感謝した。

きっと兄の来訪がなければ臆病な私は逃げてばかりでうやむやにしてしまった点は否めないから。

兄の考えは理解できないと思っていたけれど、問題や自分の気持ちにきちんと向き合わなければいけないという当たり前の出来事を今回身に染みて感じた。

年齢を重ねて大人になったような気でいたけれど、まだまだ私は未熟なのだと痛感した。

これから先、遥さんの妻となるうえで学ばなければいけない課題等は数えきれないくらいある。

それをひとりで抱えるのではなくきちんと相談しながらこなしていきたい。
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