エリート御曹司と愛され束縛同居
近所の子どもたちの中に、俺を「御曹司だから」と距離をおいたり、色眼鏡で見たりするようなヤツはいた。

けれど澪は『圭太は圭太でしょ』と豪気に言い放つ。


そして勉強の合間の自由時間、まるで見ていたかのように遊びにやってくる。

時には凪さんも引き連れて。

凪さんはどちらかというとお目付け役だった。

大事な妹をいじめたり揶揄かったりするような悪いヤツから守るために。

そんな凪さんの気持ちは、はた目にもわかったし、俺もいざという時には、そんなヤツらと戦う気持ちがあった。

きっと無邪気な幼馴染みは、そんな男同士の思惑にまったく気づいていなかっただろうが。


澪は時に、習い事にひとりで行きたがらない俺を心配して送り迎えまでしてくれていた。

まだまだ遊び足りないのに、ひとりで通わなければいけない現実が嫌だった。

仕方ないと頭では理解していても時にはさぼりたくてたまらなかった。
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