Who is the Angel of Dealh?
僕は死神だけど、ただの死神じゃない。死神の世界のトップに君臨する。死神界の王だ。

昔はよかった。病院やら魔女狩りやらで、多くの人間が何かに怯えて苦しんで死んだ。しかし、今はそんなことは起こらない。そのため死神の仕事は年々暇になってきている。

だから、この騒動を僕は起こした。この村の村長を殺し、僕が村長となった。村人と信頼を築いてからこの事件を起こす。もちろん、死神の伝説なんて嘘だよ。

ただ、死神の記憶を持ったままだといつかボロが出る可能性がある。そのために人間の姿になっている間は死神の記憶を忘れるように術をかけていたんだ。

「さて、今夜は誰を殺そうかな……」

僕は鎌を取り出し、ニタリと笑う。馬鹿な村人は僕を疑うことなどない。

今日はあの家の子供を殺そうか。それともあの家の青年にするか。いや、どっちも殺してしまおう。

僕は宙に浮き上がり、子供を先に殺そうと家を飛び出そうとする。その刹那、パンという音とともに僕の体に激痛が走る。人間と同じような赤黒い血が流れ出す。
< 11 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop