惚れ薬で、君の恋の魔法に。
「惚れ薬」
「は?」
「えっ、いま声に出てた?嘘!嘘だから!取り消し!」
不意の言葉に、ついつい反抗的な声が出てしまった。真っ赤になって首をぶんぶんと横に振る彼女。
……誰のための、惚れ薬?
「惚れ薬か……作れるのかな」
「え!?小高、作れるの!?」
「……魔法使いだし?」
作れるわけないじゃん。乃依がほかの誰かを手に入れるために欲しがってる物、作りたくもないよ。
だけど。
君が生きたいと思うきっかけになりたいから。
「作れたら、ちょーだいね」
「……」
――言ってみたけれど、その言葉には応じられそうもなくて。