惚れ薬で、君の恋の魔法に。



「……どうかな」

「なんで!?」

「なんでって、……」



気づけよ、バカ、鈍感。

俺は、乃依が欲しいのに。

乃依の恋路の助けなんか、やりたくないんだよ。



「……明日ね。明日までに出来たら、あげるよ」

「そんなに短い期間で出来るの!?」



出来ないから言ってるんだよ。



「……そしたら、小高、私に飲ませてね」



なんでそんなこと、言うの。

乃依が飲むの?なんで?相手に飲ませて惚れさせるんじゃないの?



わかった。

飲んで最初に手が触れた相手に惚れる、とかだと思ってるのか。

飲み干した、と俺に見せたいのか。

……俺なら、応援すると思って。

腹立つよ、すごく。そんなところも可愛いと思っちゃうから、俺自身に、すっごく腹立つ。

それでも、乃依のこと応援するから。

でも。
< 12 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop