惚れ薬で、君の恋の魔法に。
「頑張って作ってみるね」
もしも、プラシーボ効果とかが本当に効くのなら。
作れなどしない惚れ薬を作ることなどせずに、市販のお菓子でも買って食べさせて、
『これは惚れ薬です。食べてから、いちばん最初に手が触れた人に惚れます』
それらしいこと言って、乃依の手を、強引に掴んでしまおうか。
――なんてことを考えてしまって、俺はよほど、乃依に溺れていると気がつく。
「よろしく、小高」
参ったな、もう。伝えきれないくらい好きだよ。
本当に、惚れ薬だと称してお菓子を渡そうか。
((……はやく、好きになってよ))
Fin.