惚れ薬で、君の恋の魔法に。

「ねぇ、小高(こだか)」

自分の名前と引き換えに得た、彼の苗字を呼ぶ。名前呼びは、ハードルが高くて。



「なんで、昨日、私が学校休んだこと知ってるの？」

「昨日ここに来なかったから」

「……なんで具合悪いってわかったの？」

「お前が来ないなんて、それ以外理由が見つからない」



そっか。そうこぼすと、彼は不思議そうな顔をしていた。

どうして不機嫌なんだってことだろう。



「聞いて。今日、小高が“魔法使い”とか“闇の魔術師”とか呼ばれてるの聞いちゃった」

「……？いまさらだな。俺、言っただろ。お前が入部しないって言った日に」



確かに、言われた。

『化学がすきなわけじゃないなら、ここに来ることはオススメしない。俺は煙たがられているからな。お前の評判まで落ちるぞ』

って、この変なあだ名とともに教えてもらった。