惚れ薬で、君の恋の魔法に。
「だけど……実際誰かが言っているところを、直接見ちゃうと……ショックがでかい」
「なんで?」
嬉しくて、ニヤけそうで、それを隠そうと必死になる。……どうして俺なんかに、ということが不思議だったのも事実だから、表情はすぐに表に出た。
――よかった、ニヤけなくて。
「なんでって……」
「べつにいいよ。魔法使いとか夢あるし。闇もまぁいいんじゃない。現実離れしてて楽しいよ。
魔術師は、ちょっとだけ憧れる」
言ってみてから、バカみたいだと思われたらどうしようなんて思った。
……だけど、乃依は人をバカにするような人じゃない。