初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
「まだかかりそうか?」
「あと、一時間くらいだと思います」
「結構、かかるな……手伝おう」
真田課長は言葉より早く、書類の束を引き取ろうと手を伸ばす。
「え? あの、大丈夫です。私の方で処理できますから」
仕事が終わらないからって課長にお願いするなんてあり得ない。
阻止しようとしたけれど、機敏な課長はあっさりと書類を奪って行った。
「怪我をしたんだろ? 無理をさせないようにと頼まれている」
意外な言葉に私は目を瞬いた。
頼まれたって、柊哉さんからだよね?
いつの間にそんなお願いをしていたのだろう。私には特に何も言わなかったのに。
でも特別扱いはよくないんじゃないかな。手助けは辞退しようかと迷っていると、真田課長が続けて言った。
「少し話もあるんだ。場所を移したい」
「話ですか?」
「小林についてだ」
真田課長の表情は険しく、私は内心ひやりとしていた。
同時に日中の小林さんの言動が思い浮かぶ。進藤君と楽しそうに話していた様子。今日に限らず以前から気にはなっていたのだけれど、誰かからクレームでも入ったのだろうか。
「あと、一時間くらいだと思います」
「結構、かかるな……手伝おう」
真田課長は言葉より早く、書類の束を引き取ろうと手を伸ばす。
「え? あの、大丈夫です。私の方で処理できますから」
仕事が終わらないからって課長にお願いするなんてあり得ない。
阻止しようとしたけれど、機敏な課長はあっさりと書類を奪って行った。
「怪我をしたんだろ? 無理をさせないようにと頼まれている」
意外な言葉に私は目を瞬いた。
頼まれたって、柊哉さんからだよね?
いつの間にそんなお願いをしていたのだろう。私には特に何も言わなかったのに。
でも特別扱いはよくないんじゃないかな。手助けは辞退しようかと迷っていると、真田課長が続けて言った。
「少し話もあるんだ。場所を移したい」
「話ですか?」
「小林についてだ」
真田課長の表情は険しく、私は内心ひやりとしていた。
同時に日中の小林さんの言動が思い浮かぶ。進藤君と楽しそうに話していた様子。今日に限らず以前から気にはなっていたのだけれど、誰かからクレームでも入ったのだろうか。