初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
どうしようと彼から視線を外すと握られたままの手が視界に入った。
いつまでもこの状況じゃまずいと引っ込めようとしたけれど、彼の力は強くびくともしない。
「あの、進藤君、手を離してくれる?」
「やだ」
「え? やだって、そんな……」
困惑していると、進藤君の表情が変わったのに気が付いた。
警戒したような視線は私を通り越した先を見据えているようだった。
「どうしたの?」
問いかけながら私も後ろを振り向く。
その瞬間、息を呑んだ。
私たちの座るテーブル席の先。廊下の中央に柊哉さんと真田課長が佇んでいた。
柊哉さんはとっくに私に気付いていたようだ。不審そうな目でこちらを見ている。
彼の眼差しにいつもの優しさはない。
慌てて進藤君の手を振り払った。今度は彼も離してくれた。
けれど私の心臓は落ち着きなく脈打っていた。
いつまでもこの状況じゃまずいと引っ込めようとしたけれど、彼の力は強くびくともしない。
「あの、進藤君、手を離してくれる?」
「やだ」
「え? やだって、そんな……」
困惑していると、進藤君の表情が変わったのに気が付いた。
警戒したような視線は私を通り越した先を見据えているようだった。
「どうしたの?」
問いかけながら私も後ろを振り向く。
その瞬間、息を呑んだ。
私たちの座るテーブル席の先。廊下の中央に柊哉さんと真田課長が佇んでいた。
柊哉さんはとっくに私に気付いていたようだ。不審そうな目でこちらを見ている。
彼の眼差しにいつもの優しさはない。
慌てて進藤君の手を振り払った。今度は彼も離してくれた。
けれど私の心臓は落ち着きなく脈打っていた。