初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
その日、深夜一時まで起きていたけれど、柊哉さんは帰宅しなかった。

私の眠った後に帰っていたようで、朝は普段と変わらない時間に起きて、一緒に朝食を取った。

沢山話したいことがあるけど、朝に会話を出来る時間は短い。

「柊哉さん昨日は遅かったね。何時に帰って来たの?」

「三時過ぎだ」

「ええ? 全然寝れなかったんじゃない? 大丈夫?」

「ああ、今日は早く帰ってゆっくりするよ」

柊哉さんは微笑んで言う。だけどやっぱり顔色は冴えないから心配だ。

それにしても三時って、そんな時間まで何をしていたんだろう。

「昨日は、仕事だったんだよね?」

「真田も一緒だ。その後、飲んでた」

「真田課長と……」

総務課長と柊哉さんが一緒に仕事するような内容ってあるのかな?

「どこで飲んでたの?」

「……知人の店だ」

「そうなんだ」

はっきり店の名前を言わないのは、どうしてだろう。

忘れてしまった? 柊哉さんに限ってそんな訳はないか。そうすると私に言いたくないってこと?

そう思い至ると追求出来なくなってしまった。本当は昨夜彼が何をしていたのか、詳しく知りたいのに。
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