初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
「……柊哉さん、新入社員の小林さんの件なんだけど、昨日彼女と話して解決したから」
「大丈夫だったのか?」
「うん。謝ってくれてこれからもよろしくって言って貰えたから」
「良かったな」
柊哉さんは安心した様子だった。気にしてくれていたみたい。
他にも話したいことは有ったけれど、時間が無くなってしまった。
急いで食器を片付け、身支度の仕上げをする。
「行ってきます!」
時間ギリギリに家を飛び出し会社に向かった。
それから一週間。
柊哉さんとの間には表向き波風はたたず、平和な毎日を送っていた。
今日は紫穂との定期食事会。
胸の中にモヤモヤと溜まった想いを聞いて貰おうと、約束より早い時間に店に向かった。
今度こそ私が待つ番だと思っていたのに、紫穂は今日も先に着いていた。
だけど前回と違うのは、ひとりじゃないところ。
彼女の隣に、私の知らない男性がいた。