初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
「悩んでたのはその件よね。柊哉さんに直接聞いたの?」
「ううん、聞けなくて」
「そっか。それなら“言われなすぎで寂しい”ってのは?」
「この前ね、他の男の人と二人きりでいるところを偶然見られたの。変に誤解されてもおかしくない状況だった。それなのに柊哉さんは平然としていた。私は彼の過去をこんなに気にして不安になってるのに、柊哉さんはどうでもいいんだって思ったら、なんか凹んじゃって」
紫穂はうーんと腕を組む。
「それは誤解だって分かってるからじゃない。私だって香子が浮気するなんて思わないもの。信用されてるんじゃないの?」
「そうかな? 嫉妬って信用していても、勝手にこみ上げるものだと思うけど。私がそうだし」
柊哉さんはいい加減な気持ちで女性と遊んだりなんてしない。
それはこの数か月一緒に過ごして分かってる。だからこそ、前の恋人を本当に愛していたんじゃないかと心配になる。
「まあそうかもしれないけど……今までの香子の話を聞く限り、ふたりは凄く上手く行ってると思ったんだけどね」
「私もそう思ってた。いろいろ知る前は」
はあと溜息を吐くと、紫穂が何か思いついたように手を叩いた。
「ううん、聞けなくて」
「そっか。それなら“言われなすぎで寂しい”ってのは?」
「この前ね、他の男の人と二人きりでいるところを偶然見られたの。変に誤解されてもおかしくない状況だった。それなのに柊哉さんは平然としていた。私は彼の過去をこんなに気にして不安になってるのに、柊哉さんはどうでもいいんだって思ったら、なんか凹んじゃって」
紫穂はうーんと腕を組む。
「それは誤解だって分かってるからじゃない。私だって香子が浮気するなんて思わないもの。信用されてるんじゃないの?」
「そうかな? 嫉妬って信用していても、勝手にこみ上げるものだと思うけど。私がそうだし」
柊哉さんはいい加減な気持ちで女性と遊んだりなんてしない。
それはこの数か月一緒に過ごして分かってる。だからこそ、前の恋人を本当に愛していたんじゃないかと心配になる。
「まあそうかもしれないけど……今までの香子の話を聞く限り、ふたりは凄く上手く行ってると思ったんだけどね」
「私もそう思ってた。いろいろ知る前は」
はあと溜息を吐くと、紫穂が何か思いついたように手を叩いた。