初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
翌朝。
柊哉さんはちゃんと帰宅していた。
疲れているだろうに表に出さず、爽やかな笑顔を向けて来る。
「香子、おはよう」
「柊哉さん、おはよう」
いつも通りの朝。朝食をふたりでテーブルに並べる。
頂きますをして食事を始める。
「昨日は何時頃帰って来たんだ?」
「十一時頃。柊哉さんは?」
「二時過ぎだったかな。真田と飲んでた」
「真田課長と本当に仲がいいんだね」
「同期だからな」
少しだけ胸がずきりとした。また風花さんを思い出してしまったのだ。
いえ、またじゃない。
彼女を知ってからいつだって、その存在が気になっているのだから。
「……あの、柊哉さん」
箸を置き呼びかける。
「どうした?」
「週末は休める? 話したいことがあるの」
「話?」
柊哉さんの顔が強張る。珍しく動揺しているように見えた。
「柊哉さん?」
「……土日休みにする。話すのは家でいいのか?」
気のせいだったのか、もういつも通りの彼だ。
「うん、大丈夫。それでお願いします」
柊哉さんは頷く。
良かった……一歩進めたような気がしてほっとした。
柊哉さんはちゃんと帰宅していた。
疲れているだろうに表に出さず、爽やかな笑顔を向けて来る。
「香子、おはよう」
「柊哉さん、おはよう」
いつも通りの朝。朝食をふたりでテーブルに並べる。
頂きますをして食事を始める。
「昨日は何時頃帰って来たんだ?」
「十一時頃。柊哉さんは?」
「二時過ぎだったかな。真田と飲んでた」
「真田課長と本当に仲がいいんだね」
「同期だからな」
少しだけ胸がずきりとした。また風花さんを思い出してしまったのだ。
いえ、またじゃない。
彼女を知ってからいつだって、その存在が気になっているのだから。
「……あの、柊哉さん」
箸を置き呼びかける。
「どうした?」
「週末は休める? 話したいことがあるの」
「話?」
柊哉さんの顔が強張る。珍しく動揺しているように見えた。
「柊哉さん?」
「……土日休みにする。話すのは家でいいのか?」
気のせいだったのか、もういつも通りの彼だ。
「うん、大丈夫。それでお願いします」
柊哉さんは頷く。
良かった……一歩進めたような気がしてほっとした。