初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~

「柊哉さんが大好き。今日話をするのもすごく勇気が必要だったの。振られてしまうかもしれないって……私柊哉さんに他に好きな人がいるならもう一緒に暮らせないと思ってた。柊哉さんが大好きで割り切ったりなんて出来ないの」

決められた結婚でも私にとって本当の恋なのだから。

好きな人を独占したいと思うなんて当たり前。仕方がないんなんて諦められない。

柊哉さんが私を抱きしめ返した。

「俺も同じ気持ちだ。気持ちなんてなくても結婚出来ると思っていた。実際はこんなに感情のコントロールが出来なくなるなんてな……でもこんな想いになれて良かったとも思う。香子と結婚出来て幸せだ」

柊哉さんはそう囁くと、私の顔に手を沿えてキスをして来た。すぐに離れてしまったけれど、今度は私からキスをする。

「柊哉さん……好き」

ふわりと首に回していた手が、いつの間にか彼の背中を強く引き寄せる形に変わる。

キスはどんどん深く激しくなり、息も出来ない程に翻弄される。

心が近づいたからか、体も近づきたくなった。柊哉さんと一つになりたい。

彼も同じ気持ちなのか、私を抱く力はより一層強くなり、口内を探っていた舌が私のものと絡み合う。

「んんっ……」

頭にぼんやりと霞がかかる。窓からは陽の光が注ぎ、室内は明るい。だと言うのに私達は寝室に向かっていた。

ベッドに横たわり抱きしめ合う。

そのまま日が暮れるまで、お互いを感じあった。
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