初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
テーブルに着き、食事を始める。

柊哉さんの口に合うか心配だったけれど、美味しいと言ってくれたからほっとした。

これで安心して今後の話が出来る。

優先したいのは明日からの仕事についての確認。

私たちの結婚は当分職場の同僚たちには知らせない。入籍したのでそれなりに手続は有るけれど、信頼出来る桜川家の関係社員が行う為、情報が洩れる心配はない。

仕事で使う名前も“桐ケ谷香子”のままにする。

両家の希望をすり合わせた結果そのような対応になった。

理由ははっきりしないけれど桜川家は結婚を急いでいた。

援助協力を受ける立場の桐ケ谷家としては反対する理由はない。だけど私個人としては早々の結婚に躊躇いが有った。

柊哉さんと打ち解けないままの結婚に対する不安は政略結婚だから我慢するにしても、問題は仕事だった。

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