初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
私が、柊哉さんを信じなくてどうするの?
何があっても彼を信じなくては。

心を決めたとき、お義祖父様が柊哉さんに告げた。

「柊哉は何か言いたいことはあるか?」

柊哉さんの様子を窺い見る。彼はとても落ち着いていた。

否定的なことを言われたショックは見えない。

ふいに彼の視線が私に向いた。

目が合うと、柊哉さんは目を細める。その表情はいつも私を好きだと言う時に見せてくれる顔だ。

「両親を変えるのは無理だと分かっています。だから俺はデメリットを超える実力を持って後継になります」

「……香子ちゃんとの結婚は?」

「もちろん予定通りしますよ。もしお義祖父様が他の女性を進めたとしても断ります。俺が結婚したい相手は香子だけですから」

柊哉さんの宣言に、私の鼓動は速くなった。

こんな風にお義祖父様に逆らっていいのか心配になる。だけど彼の気持ちが嬉しくて……。

私たちを見ていたお義祖父様が、にこりと笑った。

「それくらいの気概があるなら期待は出来る。頑張りなさい」

少しは認めてくれたと言うこと?

「はい」

柊哉さんは頼もしく、頷いた。
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