初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
……今日は別に眠るってこと?

柊哉さんはそのまま自分の部屋に入ったようだ。ぱたりと扉が閉まる音がした。

私はミネラルウォーターを半分飲んでから、自分の部屋に戻りベッドに入った。

なんだか複雑な気持ちだった。一緒に寝ようって言われたらどきどきして緊張しただろうけど、
あっさり「おやすみ」って言われるのも寂しいような。

柊哉さんはどんな考えでいるのだろう。明日からはどうするつもりだろう。

気になることが沢山有ったけれど、私は直ぐに眠りに落ちた。

柊哉さんが言っていた通り、とても疲れていたみたいだった。

ぐっすり眠り、翌朝すっきりとした気持ちで目が覚めた。




午前六時にセットしたスマホのアラームが鳴る五分前に起きた私は、素早くシャワーを浴び、身支度を整えた。

桜川都市開発の女性社員の服装はスーツまたはオフィスカジュアル。
所属する部署により違うのだけれど、私が働く総務部の女性は客先訪問が無いため皆オフィスカジュアルだ。

カジュアルと言うとスーツより楽と思われそうだけど、実は意外と手間がかかる。スーツと違って毎回同じ組み合わせって訳にもいかずセンスが問われるから。

私は昨日整えたばかりのクローゼットから、スタンドカラーのシャツと、フレアスカートを取り出し着替えをした。九月後半と言ってもまだ気温は高いので上着は持っていかない。

仕事中邪魔にならないようなヘアアレンジをしてから、キッチンに入った。

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