初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
会議室に入り扉をしっかり閉じると、課長は先ほどよりリラックスした態度になった。
「急に悪かったね。座って」
「はい」
私は広い会議テーブルの下座にあたる入口近くの席に座った。机の上にノートパソコンを置いたけれど、必要か分からないのでまだ開かないでおく。
真田課長の態度から打合せは口実のような気がしていた。
柊哉さんはテーブルを挟んだ向かいの席。真田課長はその隣に着席する。その様子を眺めていると、柊哉さんが口を開いた。
「香子」
「え……」
私は困惑して口ごもる。いきなり呼び捨てるなんて大丈夫なの?
課長には入籍した件を話すと聞いていないのだけど。
だけど課長は驚く様子もなく、自然な態度でそこにいる。既に事情を知っている様子だった。
「真田には事前に事情を説明してある」
「はい」
私は小さく頷いた。プライベートなことを打ち明けるなんて、柊哉さんと真田課長は個人的に親しいのだろうか。
会社で話しているところは見た覚えはないけれど。
だけど、私はまだ柊哉さんを知らないし、真田課長についてはもっと知らない。
気軽に話しかけられる上司もいるけれど、真田課長はそういうタイプじゃない。
どことなく近寄りがたい怜悧な印象で、余計な話はしたことはなかったから。
家に帰ってから聞いてみようかな。そんなことを考えていると、柊哉さんが穏やかな口調で言った。
「急に悪かったね。座って」
「はい」
私は広い会議テーブルの下座にあたる入口近くの席に座った。机の上にノートパソコンを置いたけれど、必要か分からないのでまだ開かないでおく。
真田課長の態度から打合せは口実のような気がしていた。
柊哉さんはテーブルを挟んだ向かいの席。真田課長はその隣に着席する。その様子を眺めていると、柊哉さんが口を開いた。
「香子」
「え……」
私は困惑して口ごもる。いきなり呼び捨てるなんて大丈夫なの?
課長には入籍した件を話すと聞いていないのだけど。
だけど課長は驚く様子もなく、自然な態度でそこにいる。既に事情を知っている様子だった。
「真田には事前に事情を説明してある」
「はい」
私は小さく頷いた。プライベートなことを打ち明けるなんて、柊哉さんと真田課長は個人的に親しいのだろうか。
会社で話しているところは見た覚えはないけれど。
だけど、私はまだ柊哉さんを知らないし、真田課長についてはもっと知らない。
気軽に話しかけられる上司もいるけれど、真田課長はそういうタイプじゃない。
どことなく近寄りがたい怜悧な印象で、余計な話はしたことはなかったから。
家に帰ってから聞いてみようかな。そんなことを考えていると、柊哉さんが穏やかな口調で言った。