初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
「ごちゃごちゃ言ってないで正面からぶつかった方がいいよ。このまま時間をかけたら香子は諦めてまあいいかって言い出しそう」
「それはさすがにないでしょ」
まあいいかと思えないから、恥ずかしいのを我慢して紫穂に打ち明けたのに。
紫穂は未だうじうじしている私を眺め、苦笑いを浮かべた。
「まあ、良かったじゃない」
「どうして?」
「だって悩むのは旦那様が好きだからでしょ? だったら素直に一緒に寝たいって言えばいいのに」
違うと否定は出来なかった。確かに紫穂の言う通り私の中で柊哉さんに対する好意はどんどん成長して行っているのだから。
でも、遠慮なく何でも言える程私たちの距離は近くない。
柊哉さんに直接聞く……私にそんなこと出来るのかな。
紫穂と別れマンションに着いたのは夜の十一時丁度だった。
玄関で靴を脱いでいると、リビングの扉が開き柊哉さんが出迎えてくれた。
「お帰り」
「あ、ただいま柊哉さん。今日はご飯作れなくてごめんなさい」
「気にしなくていいって言ってるだろ? 香子にだって付き合いが有るんだから」
柊哉さんは本当に寛容だ。私にはもったいないくらい良い旦那様。
「ありがとう、柊哉さん」
感謝を抱きつつルームシューズに履き替えリビングに向かおうとする。
そのとき足元がよろけて倒れそうになった。
「それはさすがにないでしょ」
まあいいかと思えないから、恥ずかしいのを我慢して紫穂に打ち明けたのに。
紫穂は未だうじうじしている私を眺め、苦笑いを浮かべた。
「まあ、良かったじゃない」
「どうして?」
「だって悩むのは旦那様が好きだからでしょ? だったら素直に一緒に寝たいって言えばいいのに」
違うと否定は出来なかった。確かに紫穂の言う通り私の中で柊哉さんに対する好意はどんどん成長して行っているのだから。
でも、遠慮なく何でも言える程私たちの距離は近くない。
柊哉さんに直接聞く……私にそんなこと出来るのかな。
紫穂と別れマンションに着いたのは夜の十一時丁度だった。
玄関で靴を脱いでいると、リビングの扉が開き柊哉さんが出迎えてくれた。
「お帰り」
「あ、ただいま柊哉さん。今日はご飯作れなくてごめんなさい」
「気にしなくていいって言ってるだろ? 香子にだって付き合いが有るんだから」
柊哉さんは本当に寛容だ。私にはもったいないくらい良い旦那様。
「ありがとう、柊哉さん」
感謝を抱きつつルームシューズに履き替えリビングに向かおうとする。
そのとき足元がよろけて倒れそうになった。