初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
翌朝は少し寝不足だった。

それでも気持ちが充実しているからか疲れはあまり感じない。

六時前に起きて身支度をしてから二人分の朝食の準備した。

朝は簡単な洋食にしている。慣れて来たのか短時間でテーブルに並べられるようになっていた。

「頂きます」

柊哉さんは好き嫌いがないのか、私の料理を残さず食べてくれる。

綺麗になったお皿を見ると嬉しくなる。食後のお茶を出したとき彼が言った。

「今日は遅い時間に打合せの予定があるから帰りは十一時過ぎになる」

柊哉さんは週に二回か三回会食が有り帰宅が遅くなる。そういったとき私は家でパスタなど簡単な食事をして先に休んでいた。でも今日は十一月三十日だ。

「私も少し残業してから帰るね」

最近は残業を控えていたけれど柊哉さんも遅くなるし久しぶりに残って仕事を片付けよう。

「忙しいのか?」

「月末だし、総務は先月退職した人もいて少し立て込んでるの」

「そうか。あまり無理はするなよ」

「柊哉さんもね」

朝食の後片付けを柊哉さんと分担して済ませてから家を出た。


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