初夜から始まる夫婦事情～一途な次期社長の溺愛は鎮まらない～

進藤君、本当に変ったな。彼の外見、雰囲気だけでなく、私に対する態度も。

すごくフレンドリーで、傍から見たら仲の良い同期だと思う。

彼がここまで気さくで人懐っこい人だとは知らなかった。新人研修の頃から今みたいな感じだったら、仲良くなっていたかもしれない。

そんなことを考えながら、仕事を再開する。

細かい数字を慎重に確認しながら集計をする。
過去の間違いを訂正し、なんとか正常に戻し終えると会社を出た。


時刻は九時三十分。自宅に着く頃には十時を過ぎる。

今日は柊哉さんがいないし、疲れてしまったので駅前のスーパーでパンを買って帰ることにした。

夕食用の総菜パンの他に美味しそうなチーズドームとホテルブレッド、それからコーヒーを買い、マンションまでの道を歩く。

周囲の環境が良いので夜遅い時間の一人歩きでも全然不安はない。
ただちょっと坂道がきついけど。

高台にあるのはいいのだけど、上り坂は結構体力を使う。自然とのんびりとした歩みになっていると、思がけなく声をかけられた。