初夜から始まる夫婦事情~一途な次期社長の溺愛は鎮まらない~
「あ、あの……」

咄嗟に声を出すと、柊哉さんは少しだけ身を乗り出した。

「どうした?」

「い、いえ……」

特に用が有った訳じゃない。ただいつから見られていたのかと思うと落ち着かない気持ちになった。

それに、彼の非の打ちどころもないほど整った顔を見ると、自分に自信が持てなくなる。

柊哉さんの目に私はどう映っているのだろう。

私は彼とは違って特別容姿が優れているという訳でもない。

体形は平均的だし、顔の造りも平凡。髪と肌の艶感は褒められたことがあるけれど、二十五歳という年齢を考えると当然とも思える。

まあ一言で言えば普通。

そんな女が妻で物足りなく感じないのかな?

そんな風に思われていたら嫌だけど……思われているんだろうな。

はあと、ため息を吐きそうになったとき、柊哉さんの心配そうな声が耳に届いた。

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