初夜から始まる夫婦事情～一途な次期社長の溺愛は鎮まらない～
柊哉さんは私に「ゆっくりしていて」と言い、お風呂と朝食の準備をしてくれた。

体調を気遣ってくれたようだ。

心は満たされていたけれど、体は倦怠感を覚えていたので有難かった。ゆっくり湯舟に浸かり、すっきりした気持ちで朝ごはんを頂いた。

柊哉さんが用意してくれたメニューは、トーストにハムエッグ。レタスのサラダ。

美味しいし丁度良い量で食べやすかった。何より彼が作ってくれた事実が嬉しい。

「柊哉さん、ありがとう。とても美味しい」

「そうか」

柊哉さんは自分のハムエッグの卵の部分に塩を振りながら微笑んだ。

私は実家ではソースをかけていたのだけれど、結婚してからは彼の影響で塩にしている。

「柊哉さん、今日の帰りは？」

「八時頃には帰れる。香子は？」

「私も少し残業になるかも。年末だから結構忙しくて」

「それなら今日は外食にしようか？」

柊哉さんの提案に私は飛びついた。

「行きたい！」

私のはしゃいだ声を聞いた彼はクスリと笑う。

「分かった。この辺りの店を調べておく」

「楽しみ」

慌ただしい仕事も楽しみがあれば、頑張れる。てきぱき仕事をして、なるべく早く終わらせなくては。


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