【放浪恋愛】まりなの日記
【息子のところへ行こうかと考えているのよ…】
8月7日・晴れ
アタシが焼肉屋さんのチュウボウで野菜を切り刻む仕事をしていた時のことでありました。
仕事をしているアタシのもとに、奥さまがやって来て、言いにくそうな声でアタシに言いました。
「まりなさん。」
「はい。」
「ちょっと、大事な話があるのだけどかまんで?」
「えっ?大事な話?」
「まりなさん、うちら夫婦はね、今月いっぱいでこの店たたんで、ソウルで暮らしてはる息子夫婦の家へ帰ることにしたけん。」
アタシは奥さまに理由をたずねてみたけど、奥さまは『一身上の都合』と言うだけで、詳しい理由は言いませんでした。
奥さまは、アタシにしかめた表情で言いました。
「まりなさん!!あんたはいつまで各地を転々と放浪する暮らしを続ける気でいてはるのかしら!?」
「いつまでって?」
「あんたね!!そろそろ落ち着く先を決めた方がええんとちゃうで!?うちはね!!まりなさんのことが心配やさかいにいよんのよ!!」
「そななこと言うても…アタシは…放浪癖が身に付いてしもたけん…今から落ちつく場所を探せなんて…ムリやねん…」
アタシの言葉を聞いた奥さまは、ますます怒った口調でアタシに言いました。
「何を弱々しいこと言うてまんねん!!あんたはそななことばあい口にしよるけん、どこへ行っても、もめ事ばかりが続いてはったじゃないのよ!!ホンマに情けないわね!!」
奥さまはアタシを怒鳴りつけたあと、ひと間隔あけてからこう言いました。
「あのねまりなさん、知人に頼んでおくから、うちの知人が伊丹のリノリューム会社の工場長さんなのよ…工場長さんに頼んでおくから…来月からはきちんとしたところで暮らしなさい…きちんとした個室の寮と温かい料理のあるところで暮らした方がええさかいに…それに、結婚がしたいと思ってはるのだったら、安定した収入が必要やさかいに…まりなさん…うちはね、まりなさんのことが心配だから言うてまんねん!!その点はよぉに覚えておきなさい!!」
奥さまはアタシにこう言った後、奥の部屋へ入って行きました。
(その後、まりながバイトをしていた焼肉屋さんは8月31日をもって閉店した…経営者夫婦はソウルにいる息子さん夫婦のもとへ帰りました。まりなは閉店の三日前に伊丹へ移り住みました。)
アタシが焼肉屋さんのチュウボウで野菜を切り刻む仕事をしていた時のことでありました。
仕事をしているアタシのもとに、奥さまがやって来て、言いにくそうな声でアタシに言いました。
「まりなさん。」
「はい。」
「ちょっと、大事な話があるのだけどかまんで?」
「えっ?大事な話?」
「まりなさん、うちら夫婦はね、今月いっぱいでこの店たたんで、ソウルで暮らしてはる息子夫婦の家へ帰ることにしたけん。」
アタシは奥さまに理由をたずねてみたけど、奥さまは『一身上の都合』と言うだけで、詳しい理由は言いませんでした。
奥さまは、アタシにしかめた表情で言いました。
「まりなさん!!あんたはいつまで各地を転々と放浪する暮らしを続ける気でいてはるのかしら!?」
「いつまでって?」
「あんたね!!そろそろ落ち着く先を決めた方がええんとちゃうで!?うちはね!!まりなさんのことが心配やさかいにいよんのよ!!」
「そななこと言うても…アタシは…放浪癖が身に付いてしもたけん…今から落ちつく場所を探せなんて…ムリやねん…」
アタシの言葉を聞いた奥さまは、ますます怒った口調でアタシに言いました。
「何を弱々しいこと言うてまんねん!!あんたはそななことばあい口にしよるけん、どこへ行っても、もめ事ばかりが続いてはったじゃないのよ!!ホンマに情けないわね!!」
奥さまはアタシを怒鳴りつけたあと、ひと間隔あけてからこう言いました。
「あのねまりなさん、知人に頼んでおくから、うちの知人が伊丹のリノリューム会社の工場長さんなのよ…工場長さんに頼んでおくから…来月からはきちんとしたところで暮らしなさい…きちんとした個室の寮と温かい料理のあるところで暮らした方がええさかいに…それに、結婚がしたいと思ってはるのだったら、安定した収入が必要やさかいに…まりなさん…うちはね、まりなさんのことが心配だから言うてまんねん!!その点はよぉに覚えておきなさい!!」
奥さまはアタシにこう言った後、奥の部屋へ入って行きました。
(その後、まりながバイトをしていた焼肉屋さんは8月31日をもって閉店した…経営者夫婦はソウルにいる息子さん夫婦のもとへ帰りました。まりなは閉店の三日前に伊丹へ移り住みました。)