PTSDユートピア
僕が彼女の名を呼ぶと、その小柄な銀髪の少女はビクッと一瞬立ち止まり……それからいきなり校門に向かって走り出した。
「待てよ××! お願いだ!」
怪訝な顔をしている上級生を置いて、僕も慌ててその後を追う。
すぐに少女が校門を通り、そのまま校舎の中へ入っていくのが見えた。
僕も必死に追いかけ、下駄箱で上履きに履き替えるのももどかしく靴を脱ぎ捨てて辺りを見渡すと、階段を上がっていく銀色の後ろ髪がチラリと見えた。
諦めるものか、と僕も階段を駆け上る。
入学式は体育館で行われる為、校舎内には僕と彼女以外誰もいなかった。
静寂の中、必死に階段を駆け上がる僕と彼女の足音だけがトントン、と鳴り響く。
やがて階段を上り切り廊下を少し進むと、開け放たれた屋上のドアが風でギシギシと軋んでいた。
どうやら逃げられないと観念してここで僕を待っている様だ。
僕は大きく息を吸い込むと――想い人が待つ青空の下へと足を踏み出した。
「待てよ××! お願いだ!」
怪訝な顔をしている上級生を置いて、僕も慌ててその後を追う。
すぐに少女が校門を通り、そのまま校舎の中へ入っていくのが見えた。
僕も必死に追いかけ、下駄箱で上履きに履き替えるのももどかしく靴を脱ぎ捨てて辺りを見渡すと、階段を上がっていく銀色の後ろ髪がチラリと見えた。
諦めるものか、と僕も階段を駆け上る。
入学式は体育館で行われる為、校舎内には僕と彼女以外誰もいなかった。
静寂の中、必死に階段を駆け上がる僕と彼女の足音だけがトントン、と鳴り響く。
やがて階段を上り切り廊下を少し進むと、開け放たれた屋上のドアが風でギシギシと軋んでいた。
どうやら逃げられないと観念してここで僕を待っている様だ。
僕は大きく息を吸い込むと――想い人が待つ青空の下へと足を踏み出した。