幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
21章:なにげない日常
その日、いつもより足早に家に帰ってきてしまっていた。
でも、まだ健一郎は帰ってきていなくて、私は、なんだか自分だけが早く帰ってきたことが恥ずかしくなる。
今度は私が忠犬のようだ。
そう思っていたら、玄関扉が開いて、健一郎が帰ってきた。
「お、おかえり」
「三波さん! 早いんですね」
「健一郎だって早いじゃない」
「今日、三波さん、身体は大丈夫だったかなって気になって。だから朝も少し無理矢理に書類届けに行ってしまいました。学内便でよかったのに」
健一郎が言うと、私は思わず健一郎の顔を見た。健一郎は、どうしました? と私に問う。
(健一郎って昔からこういうことを自然にできる人だと思う)
私がストーカーに襲われそうになった日も、何も言わずに家の前に朝まで座っていたっけ……。