幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
先に歩き出すと、健一郎はすぐに追いついてきて、そのまま私の右手を握った。
「ちょっ」
「この前は5メートル後ろからあなたを見守れたのも良かったですが、やはりこうして隣にいられるのは格別です」
(別にこうしていいなんて言ってないのに、なんでこんなに強引になってんの?)
なんだか腑に落ちなかったが、こうも強引に来られると強く断れなくなった私は、手を繋いだまま歩いていた。
また、やけに胸がドキドキと大きな音を立てている。
昨日の夜とか、今朝とか、あれだけドキドキとしておいて、まだこんなに速く強く心臓は音を立てられるものなんだな、と不思議な感覚がした。