幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

 病棟への廊下を歩きながら考える。

(まぁ、でも、藤森先生は健一郎の親友なんだよね……? 健一郎は認めてないみたいだけど……)

 そうであれば、あまり知らないながら私が毛嫌いするのもどうなのだろうと思う。
 そう思ったものの、なんとなく重い足取りで、私は外科病棟に足を踏み入れた。

 外科は、内科ともまた雰囲気が違うように感じる。
 そしてふと足を止めた。もう外科の医局だった。

 私は、ふーっと息をついて、そっと外科の医局に顔を出す。外科の医局は基本的に先生がいない。

 手術だの診察だの、時には、救急だのと、みんな席についている暇もないのだ。
 病院の先生は本当に大変な仕事だと思う。特に大学病院の先生はそれに加えて、授業や委員会まであるのだ。

(藤森先生も女性に手が早くなければ、いい先生なんだろうけどなぁ……)

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