幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

「そういえば、健一郎ずっとルンルンなんだよね。二人何かあった?」

 そう言われてぎくりとする。さすが藤森先生だ。そういう男女の機微には敏感なようだ。病院で人に言えない何かをしでかしただけのことはある。

(それにしても健一郎……! ルンルンって……!)
 私は思わずこぶしを握り締める。
 目の前に健一郎がいたらきっと殴っていただろう。

 そんな私を見て藤森先生は苦笑する。

「でも、三波ちゃんも結構わかりやすいよ?」

 私の考えていることが分かったのか、藤森先生が言う。
 藤森先生の眼を見て、思わず一歩足を引いた。

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