幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

 そして私は人生最大の間違った決断をすることとなる。

「わかった。健一郎と、結婚しようじゃない」
「本当ですか!? やったー!」

 健一郎がガッツポーズをする。やっぱり健一郎って犬みたい。
 私が思わず笑うと、健一郎がそんな私の顔を見て、また嬉しそうに笑った。

―――私にとって結婚は好きな人とするものじゃない。

 わかっているからこそ、私は一番リスクの低い選択をした。つまり消去法だ。
 健一郎のことが好きなわけじゃない。健一郎と結婚したかったわけでもない。

 そして私の誕生日に、私と健一郎は入籍し、健一郎の名字が佐伯に変わり、二人で住むこととなったのだ。
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