幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
―――次の日の朝。
朝一番に、目覚めのシャワーを浴びた健一郎が、上半身裸のまま、髪の毛を拭いてリビングに出てくる。
「おはようございます。すみません、昨日はあまり記憶がなくて……。最近飲んでなかったですから……さすがに今回飲まないわけにいかなくて」
と、申し訳なさそうに健一郎が言ったが、私は健一郎から目をそらした。
朝から、その無駄にセクシーな体を見せるのはやめてほしい。
健一郎はジムに通っているわけでもないのに、無駄にガタイも良く、スタイルもいい。裸の上半身を見ると、私の方がやけに照れてしまうのだ。
「ちょ……服くらいちゃんと着てよ!」
「いいじゃないですか。なにをいまさら」
今さらだと言われても恥ずかしいものは恥ずかしい。しかも夜の間、やけに私を見てくる健一郎に落ち着かなくて、寝室の電気は絶対に暗くさせているから、健一郎の身体もあまりはっきりと見ていないのだ。
私は思わず目を背ける。すると、健一郎は楽しそうに笑って私のほうに歩いてくる。
「恥ずかしがる三波さんもまたいいですね」
そんなおっさんくさいせりふを吐いて、
「ちょ、で、なんなのよ! これ!」
素早く動いた健一郎が、私の身体を後ろからがっちりと抱きしめる。
私は少しも身動きができない状態になった。
「え? 今日休みですし、せっかくなら一日中こうしてようかと」
そう言いながら早速健一郎は、私の首筋にキスを落とし始めた。
「だ、だめ! 最近仕事とこういうことばっかで、洗濯も掃除もなにもしてない!」
あなただって、最近は家でも論文を書いたり、寝る間も全くないくらい忙しくしたりしてるくせに何考えてんのよ!