幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
29章:知りたい想い
次の日の夜、健一郎が帰ってきて、私はその顔を見てほっとしていた。
なんだかずっと気が張っていたような……そんな気分だったのだ。
健一郎の方は健一郎の方で、いつもならすぐに飛びついてくるはずなのに、今日は私の顔をじっと見つめている。
「どうしたの?」
「……三波さんこそ」
そう言われてドキリとする。
昨日の出来事を思い出し、私は首を振った。
「別に? そ、それより見て! 今日は料理頑張ったよ!」
私は待ちきれなくて、今日処理しなきゃいけない案件だけを終わらせると、早く帰ってきていた。
早く帰ってきたらきたで、まだ帰ってこない健一郎が帰るまでの時間を持て余してしまい、料理に時間をかけていた。
今日のメニューはエビマヨとコーンサラダ、卵の中華スープだ。あまり上手ではないが、私が今できる最高傑作だ。
「おいしいかどうかわかんないけど食べてみて」
正直、料理は健一郎が作ったもののほうがおいしいと思う。っていうか健一郎は家事全般何でもできる。私の存在意義は一体何なんだろう……とは思う。
そんなことを思って少し落ち込んだ時、健一郎は嬉しそうに微笑んで、突然、ぎゅうっと私の身体を抱きしめた。
「健一郎!? ど、どうしたの?」
私は思わず叫ぶ。