幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

「ストーカーのクセに自信過剰!」
 こんなに自信持たれると、なんとなくいやだ。だって、私はいつも健一郎のことは自信ないのに。
 私は続けた。

「なんで健一郎だけ余裕なの? なんかムカつく! 私は、健一郎が、桐本先生や他の女性と会ったり話したりする機会も多いし、それは当たり前なんだけど……ちょっと不安はあるのに」
 健一郎はふっと笑って、私の身体を抱きしめる。

「まだわかってないんですか。僕は、あなただけです。三波さんしか見てません。不安なら、これから存分にわからせてあげますよ」

 私はその言葉に、安堵と、そして違う意味の不安を覚えた。

「変な意味なら結構です」
「こんなに三波さんのことに全力投球なのに、他の女性が入り込むスキなんて全くありませんよ。まだわかってもらえないんですね」

 健一郎がいたずらっぽく笑う。
 分かってる。分かってるけど、不安になる。その気持ち、わからないのは健一郎の方だと思う。

 私がむっとすると、健一郎は嬉しそうに目を細めて、額にキスをした。
 そういうことしないでよ。腹が立っても、許してしまうじゃない。

ーーーだって、この人はいつだって……。

 私は、健一郎を見ると、
「ずっとそばにいてくれて、大事に思ってくれて……ありがとう」
 そんなことを口にしていた。

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